先進医療保障ってどういうもの?わかりやすく解説

公開日:2023/11/15   最終更新日:2023/08/31

先進医療保障

医療保険・がん保険などの加入や見直しを検討するなかで、先進医療保障という言葉を耳にすることがあるでしょう。先進医療保障について漠然とイメージできる人でも、明確なイメージは持てないかもしれません。ここでは先進医療保障について詳しく解説します。記事を参考に、保険加入や契約見直しに役立ててください。

そもそも「先進医療」とは?

先進医療保障は「先進医療」による治療を対象とする保障です。ここでは、先進医療保障を理解するために「先進医療」とは何かを解説します。先進医療とは、特定の大学病院などで研究・開発された治療法や手術のなかで一定の実績をあげ、厚生労働省に認められた医療行為です。

従来の治療法と比べてさらに高度な医療技術が用いられており、がんなどむずかしい病気の治療に有効な治療法もあるため、高い治療効果が期待できます。医療技術の進歩を受けて先進医療の認定も変化しますが、令和5年8月1日時点では、82種類の治療法・手術が先進医療として認定されています。

また、先進医療は希望すればどの医療機関でも受けられるわけではなく、治療を受けられる病院が限られているのも特徴です。

先進医療は健康保険をはじめとする公的医療保険による保険診療の対象外で、全額自己負担となっています。自己負担となるのは特定の治療や手術にかかわる費用のみで診察料や検査料、入院費などの諸費用は保険診療の適用範囲内となるものの、医療費が高額になるのが一般的です。

治療法によっては治療費が300万円ほどにのぼるケースもあり、患者さんの経済的負担が大きくなる傾向にあります。ただし、保険診療の範囲外の治療はすべて先進医療というわけではありません。

保険診療外かつ先進医療の認定を受けていない治療法・手術については、診察料なども含めてすべて自己負担となります。一般的な保険診療外の治療先進医療は分けて考えましょう。

先進医療保障の内容とは

ここでは、先進医療保障の内容について詳しく説明します。

先進医療保障の概要

先進医療保障は、先進医療を受けた際にかかった費用を対象として給付金を支払う制度です。

また、先進医療保障は主契約として独立したものではなく、医療保険やがん保険などに特約として付帯する保障です。

一般的に、先進医療保障を同じ保険会社で同時に複数の保険に付帯することはできません。同じ保険会社で先進医療保障を付帯できる保険に入る場合は、どの契約に先進医療保障を付帯するかを検討しましょう。

更新型と終身型

先進医療保障は、更新型・終身型の2つのタイプに分かれています。更新型は定期的に契約の更新が行われるタイプで、保険加入者の年齢が上がるごとに保険料が高くなる一方、更新の都度契約内容を見直せます。

終身型は加入から一生涯保障が受けられ、保険料もそのまま据え置きとなるタイプです。契約内容をある程度柔軟に更新できるほうがよいか、保険料に変動がないほうがよいかなど、加入者に合ったスタイルで加入するとよいでしょう。

受け取れる給付金には上限がある

先進医療保障を受けると、治療費のうち各保険会社が定めた上限額まで給付金が出ます。ただし、上限金額まで給付金が給付されると、先進医療保障の特約が消滅する点には注意が必要です。

給付金を受け取れる条件

先進医療保障は、先進医療の認定を受けた治療や手術の費用に対してのみ給付金が支払われます。ただし、途中で該当の治療法が先進医療の認定外となる可能性もあります。

給付金の支払い対象となるかを判定する基準は、治療を受けた時点で先進医療の認定を受けているかどうかです。契約時に先進医療の認定を受けていた治療法であっても、治療を受けたタイミングで認定が外れていれば支払い対象にはならないため、注意しましょう。

先進医療保障は必要?

先進医療保障がなければ、基本的に先進医療を受けたときの治療費は全額負担となります。ただし、一般的な治療と比べると、先進医療を受ける状況になること自体が少なく、身近なリスクとして考えにくいものです。

生涯で一度も先進医療を受けることなく過ごす人も少なくないでしょう。そのため、先進医療保障を付帯する必要性を感じない人もいるかもしれません。

しかし、医療保険自体、万が一の事態に備えて加入するものです。いつどのような病気にかかり、いつ先進医療が必要な状況になるかわかりません。実際に先進医療が必要な状態に陥った場合、経済的な負担は数百万円単位の大きなものになります。

経済的な負担を心配せずに先進医療を受けられると、治療法の選択肢が広がります。

また、保険料の負担は月々数百円程度である場合がほとんどです。月々の保険料と受けられる保障の大きさを比較しても、将来の安心材料としては頼りになるため、先進医療保障の付帯を検討してもよいでしょう。

 

まとめ

先進医療を受けることで、従来の治療法以外にも治療の選択肢を広げられる一方で、治療費の負担は高額になります。一方、先進医療の種類自体も先進医療を扱っている医療機関も数少ないため、誰もが受ける可能性を秘めた医療行為ではありません。しかし、いざ先進医療を受けることになった場合、先進医療保障を付帯していれば、経済的にも心理的にもケガや病気と闘うときの大きな支えになります。保障を受けられる状態であれば、効果的な治療を受けることに対して積極的な気持ちを持てるようになり、健康を取り戻せる可能性も高まります。新しい保険への加入や既存の契約の見直しを機に、一度先進医療保障についても見直すのがおすすめです。

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