保険でよく聞く返戻率って何?返戻率の基本的な考え方とは

公開日:2023/04/15   最終更新日:2023/03/03


保険の説明において、「返戻率」という言葉を聞くことが多いかと思います。しかし、保険を選ぶ際にはきちんと理解しておく必要があります。今回は、返戻率そのものの意味だけでなく、基本的な考え方や比較のポイントを解説します。これを読めば、より保険への理解を深めることができるでしょう。

保険の返戻率とは?返戻率の高さの違いも解説!

返戻率とは、支払った保険料の総額に対して、受け取ることができる金額の割合のことです。保険会社によっては「戻り率」と呼ぶところもあります。たとえば、返戻率が100万円支払って、110万円を受け取れば、返戻率は110%です。対して返戻率が100%を下回ると、支払った金額より少ない金額を受け取ることになります。

返礼率は、「(満期保険金+祝い金)÷総払込保険料×100」で求めることができます。返礼率が上がる幅は、契約年数の長さに比例します。途中解約せずに、長く契約を続けると、返戻率が高くなります。逆に短期機関で解約してしまうと、返戻率が100%を下回ってしまいます。返戻率の高さは保障の充実度や経済リスクに起因し、リスクが高ければ高いほど返礼率も高くなります。

ちなみに、返戻率と似た言葉に「予定利率」がありますが、これは保険会社が契約者に約束する利回りのことを指します。予定利率は契約の時点で決められているため、予定利率が高いほど、同じ金額を受け取るために、支払う金額は安くなります。保険会社が提示した予定利率で、将来の受取額がどれくらい増えるかを確認するために、返戻率を求めます。

解約返戻金がある保険とは

返礼率が使われるのは、貯蓄型の保険、つまり終身保険や学資保険、個人年金保険です。これらは保険期間が長く、貯蓄することができる保険なので、解約返戻金があります。解約返戻金には3つのタイプがあります。

1つ目は、満期がある基本タイプです。満期に近くなるほど、解約返戻金の返礼率も高くなります。資産形成のひとつとして利用されますが、近年は円建て商品がマイナス金利のため、返戻率は以前より低くなっています。返礼率の高さをあげる方法として、保険料の支払時期を短くする「短期払い」があります。条件が揃えば返戻率がかなり高なることもありますが、そのぶん1回に支払う保険料は高くなります。

2つ目は、解約返戻金を基本型より抑えているものです。基本タイプの約70%に抑えることで、保険料を安くしています。終身保険に多いタイプです。満期後には返戻率が上がり、商品によっては100%近いものもあります。満期を前提としているので、資産形成としても最適です。保険料が安いので、無理なく運用できるのも魅力的ですね。

3つ目は掛け捨てタイプです。解約しても返戻金はありません。前述の2タイプと比べると、支払う保険料はかなり抑えられます。特定の目的で短期に入る分にはよいですが、ほかの商品ときちんと比較した方がよいでしょう。

返戻率の比較ポイントとは

保険を比較するとき、返戻率もひとつのポイントになります。しかし、ただ返戻率を比較するだけではなく、商品を総合的に比べるのが大切です。では、どのようなポイントを押さえたらよいでしょうか。ポイントは3点あります。

まず最も大事なのは、保険に加入する理由です。多くの場合、万が一に備えて、必要なお金を積み立てておきたいからでしょう。その目的を果たすため、どういう時に保険金が受け取れるのか、払い込みはいつまでなのか、きちんと把握しておきましょう。目的がぶれてしまうと、支払う保険料が無駄になってしまう可能性もあります。

2つ目は保障内容です。具体的にはどのような条件で保険金が支払われるのか、特約がどうか、免除されることはあるのかなどです。返戻率がたとえ高くても、自分が求める保障がなければ、意味がありません。コストパフォーマンスが高い商品を選ぶためにも、保障内容を比較しましょう。

3つ目は支払う保険料です。返戻率が高い商品は、保険料も高い傾向があります。途中で支払えなくなり、解約してしまったら本末転倒です。将来いつまとまった支出が発生する可能性が高いのか。中長期的なライフイベントやお財布と相談しながら選びましょう。近年では無料の保険相談所もあり、ファイナンシャルプランナーなどのプロのアドバイスを受けられるため、保険のことで迷っている方は一度相談してみてはいかがでしょうか。

まとめ

返戻率は、払った金額に対して受け取れる金額の割合を指し、保険を選ぶうえで大事な指標になります。貯蓄型の保険は、資産形成はもちろん、長期にわたって保障を受けるため、返戻率の高さだけで選ぶのは危険です。保障内容や保険料も、商品を選ぶうえで慎重に比較することが大切です。今回は返戻率を軸に保険を選ぶポイントも紹介したので、保険に加入する目的も押さえつつ、自分にあった保険を選びましょう。

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